薬剤師・杉本 忠嗣が考える薬と体、世界情勢のこと(ブログ)
バンスという男(5):強硬右派の爆弾発言飛び出す!!①ミュンヘン安全保障サミット(2/14) ②米ウ首脳会談(2/28)
2025-03-07
元々は、反トランプ[米のヒトラー]だったが・・・意趣返しで親トランプに。
当事者(ウクライナ・EU)抜きで和平停戦協議するとは・・・異常(#^ω^)
トランプ氏の過激なメッセージを体現するかのようなバンス副大統領、どこまで上りつめるのか
(CNN) J・D・バンス氏は、従来の米国の副大統領像とは異なる存在だ。
ワシントンの裏側で暗躍するマキャベリ的な権謀家、ディック・チェイニー氏のようでもなければ、ジョージ・H・W・ブッシュ氏やジョー・バイデン氏のように外交面で信頼できるタイプでもない。
若々しいバンス氏はむしろ、上司であるトランプ大統領がSNSで発する過激なメッセージを体現しているかのようだ。
先月末に行われたホワイトハウスでの会談ではウクライナのゼレンスキー大統領を挑発し、外交危機を招いた。
安全保障会議が開かれたドイツ・ミュンヘンへの旅を楽しみ欧州の同盟国を侮辱した。
さらにウクライナには「30~40年も戦争をしていないどこかの国」が提示するものよりも優れた安全の保証が必要だと言い放ち、英国で新聞の1面を飾った。
バンス氏は後になって、英国やフランスに言及したと解釈するのは「極めて不誠実だ」と釈明したが、実際にウクライナへの「平和維持部隊」に名乗りをあげたのは、英仏だけだった。
バンス氏は、共和党内でどちらに風が吹いているかを心得ている。
そのため2016年当時はトランプ氏を「米国のヒトラーになる可能性がある」と疑っていたとまで伝えられながらも、その後はトランプ氏への軽蔑を捨てた。
トップを崇拝する党内で、副大統領は大統領の「特に熱心な崇拝者」のひとりとなったわけだ。
一方で、バンス氏は興味深い人物でもある。
アパラチア地方の厳しい環境で育ち、イエール大学法科大学院を卒業し、非常に頭が切れる。
そのため、同氏の政治的立ち位置は打算によるものと受け取られやすい。
短期間だがオハイオ州の上院議員を務め、従来型のメディアやワシントンのエリート層を嫌悪している点はトランプ氏のポピュリズムと親和性がある。
海兵隊出身でもあるため、対テロ戦争での同盟国の貢献について詳しいはずだ。
バンス氏はシリコンバレーでも財をなし、急速に右傾化し2期目のトランプ氏を支持するIT業界の大物らとも親しい。
バンス氏の名を知らしめたのは、自身の回顧録「ヒルビリー・エレジー」だった。
幼少期を過ごしたオハイオ州やケンタッキー州の貧困地帯で、産業の空洞化が貧困や薬物依存を広げ、グローバル化した自由貿易政策への政治的反発を引き起こした過程を語ったこの16年の著書は、トランプ氏の第1次政権の支持層を理解するための手引のようでもあった。
そうした経歴を考えれば、バンス氏が「米国第一」を掲げる経済政策の最も雄弁な論客となったのも不思議ではない。
40歳の同氏はトランプ氏の後継者になり得るが、先日のFOXニュースのインタビューでトランプ氏は面白おかしくそうした考えを否定した。
バンス氏は、欧州の多くの人々が軽蔑する米国の特徴を象徴しているといえる。
それはウクライナに中核となる国益はないとみなす孤立主義的な姿勢だ。
無遠慮で自信満々な態度も海外の人々をいら立たせる。
ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」をはじめとする欧州の極右勢力への支持もそうだ。
ホワイトハウスでゼレンスキー氏と衝突する前日には、言論の自由をめぐり英国のスターマー首相を非難したが、スターマー氏は明確に反論してみせた。
若く、野心的、かつイデオロギー的で、既存の知識階級へ不満を持つバンス氏から想起される副大統領がいる――リチャード・ニクソン氏だ。
1952年にドワイト・アイゼンハワー氏の副大統領候補に選ばれたとき、ニクソン氏の上院議員としての在任期間はバンス氏と同じく短いものだった。
そしてバンス氏と同様、新たなタイプの共和党のイデオロギー支持者でもあった。
バンス氏が◆リベラルな「woke(ウォーク、意識の高い人たち)」を批判するように◆、
ニクソン氏は米国内の共産主義者と思われる人々を追い詰めた。
そしてバンス氏同様、ニクソン氏も「もっと上」を狙っていた。
強い野心と政治の闇への傾倒は、経験豊富なアイゼンハワー氏との間に軋轢(あつれき)をもたらすこともあったが、これはトランプ氏とバンス氏の関係にも起こりえる。
ニクソン氏は8年間の副大統領時代で国際関係を急速に学んだ。
68年の大統領選で勝利して以降の成功はそのときの経験による部分が大きい。
バンス氏がニクソン氏のように世界を飛び回ることはなさそうなのは、同氏の政治的利益が国内にあるからだ。
バンス氏を侮ってはいけない。
同氏は短期間で高みに駆け上がった。
しかし傲慢(ごうまん)さによって「太陽に近づきすぎる」危険はないだろうか。
◇本稿はCNNのスティーブン・コリンソン記者による分析記事です。
(CNN) J・D・バンス氏は、従来の米国の副大統領像とは異なる存在だ。
ワシントンの裏側で暗躍するマキャベリ的な権謀家、ディック・チェイニー氏のようでもなければ、ジョージ・H・W・ブッシュ氏やジョー・バイデン氏のように外交面で信頼できるタイプでもない。
若々しいバンス氏はむしろ、上司であるトランプ大統領がSNSで発する過激なメッセージを体現しているかのようだ。
先月末に行われたホワイトハウスでの会談ではウクライナのゼレンスキー大統領を挑発し、外交危機を招いた。
安全保障会議が開かれたドイツ・ミュンヘンへの旅を楽しみ欧州の同盟国を侮辱した。
さらにウクライナには「30~40年も戦争をしていないどこかの国」が提示するものよりも優れた安全の保証が必要だと言い放ち、英国で新聞の1面を飾った。
バンス氏は後になって、英国やフランスに言及したと解釈するのは「極めて不誠実だ」と釈明したが、実際にウクライナへの「平和維持部隊」に名乗りをあげたのは、英仏だけだった。
バンス氏は、共和党内でどちらに風が吹いているかを心得ている。
そのため2016年当時はトランプ氏を「米国のヒトラーになる可能性がある」と疑っていたとまで伝えられながらも、その後はトランプ氏への軽蔑を捨てた。
トップを崇拝する党内で、副大統領は大統領の「特に熱心な崇拝者」のひとりとなったわけだ。
一方で、バンス氏は興味深い人物でもある。
アパラチア地方の厳しい環境で育ち、イエール大学法科大学院を卒業し、非常に頭が切れる。
そのため、同氏の政治的立ち位置は打算によるものと受け取られやすい。
短期間だがオハイオ州の上院議員を務め、従来型のメディアやワシントンのエリート層を嫌悪している点はトランプ氏のポピュリズムと親和性がある。
海兵隊出身でもあるため、対テロ戦争での同盟国の貢献について詳しいはずだ。
バンス氏はシリコンバレーでも財をなし、急速に右傾化し2期目のトランプ氏を支持するIT業界の大物らとも親しい。
バンス氏の名を知らしめたのは、自身の回顧録「ヒルビリー・エレジー」だった。
幼少期を過ごしたオハイオ州やケンタッキー州の貧困地帯で、産業の空洞化が貧困や薬物依存を広げ、グローバル化した自由貿易政策への政治的反発を引き起こした過程を語ったこの16年の著書は、トランプ氏の第1次政権の支持層を理解するための手引のようでもあった。
そうした経歴を考えれば、バンス氏が「米国第一」を掲げる経済政策の最も雄弁な論客となったのも不思議ではない。
40歳の同氏はトランプ氏の後継者になり得るが、先日のFOXニュースのインタビューでトランプ氏は面白おかしくそうした考えを否定した。
バンス氏は、欧州の多くの人々が軽蔑する米国の特徴を象徴しているといえる。
それはウクライナに中核となる国益はないとみなす孤立主義的な姿勢だ。
無遠慮で自信満々な態度も海外の人々をいら立たせる。
ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」をはじめとする欧州の極右勢力への支持もそうだ。
ホワイトハウスでゼレンスキー氏と衝突する前日には、言論の自由をめぐり英国のスターマー首相を非難したが、スターマー氏は明確に反論してみせた。
若く、野心的、かつイデオロギー的で、既存の知識階級へ不満を持つバンス氏から想起される副大統領がいる――リチャード・ニクソン氏だ。
1952年にドワイト・アイゼンハワー氏の副大統領候補に選ばれたとき、ニクソン氏の上院議員としての在任期間はバンス氏と同じく短いものだった。
そしてバンス氏と同様、新たなタイプの共和党のイデオロギー支持者でもあった。
バンス氏が◆リベラルな「woke(ウォーク、意識の高い人たち)」を批判するように◆、
ニクソン氏は米国内の共産主義者と思われる人々を追い詰めた。
そしてバンス氏同様、ニクソン氏も「もっと上」を狙っていた。
強い野心と政治の闇への傾倒は、経験豊富なアイゼンハワー氏との間に軋轢(あつれき)をもたらすこともあったが、これはトランプ氏とバンス氏の関係にも起こりえる。
ニクソン氏は8年間の副大統領時代で国際関係を急速に学んだ。
68年の大統領選で勝利して以降の成功はそのときの経験による部分が大きい。
バンス氏がニクソン氏のように世界を飛び回ることはなさそうなのは、同氏の政治的利益が国内にあるからだ。
バンス氏を侮ってはいけない。
同氏は短期間で高みに駆け上がった。
しかし傲慢(ごうまん)さによって「太陽に近づきすぎる」危険はないだろうか。
◇本稿はCNNのスティーブン・コリンソン記者による分析記事です。
