薬剤師・杉本 忠嗣が考える薬と体、世界情勢のこと(ブログ)
県内コロナ患者、微増が続く↑↑(799):なぜ沖縄県だけ、突出して患者数が多いのか??⇒ジャーナリストの村上和巳氏曰く♬
2024-06-14
季節性の無く『空気感染する』コロナ流行抑制には、人流拡大後の3密回避を!!
==ジャーナリストの村上和巳氏==
国内の感染状況を見ると、2024年第22週(5月27日~6月2日)の全国平均の定点当たり発生数は3.52人。
前週の第21週(5月20〜26日)の3.35人と比べ、微増である。
2024年に入ってからは徐々に感染者数は増加し、第5週(1月29日~2月4日)の16.15人をピークに、その後は第18週(4月29日~5月5日)の2.27人にまで徐々に低下していたが、そこから再び増加している状況である。
ちなみに5類移行後の最高値は2023年第36週(9月4~10日)の20.19人、最低値は2023年第46週(11月13~19日)の1.95人である。
さて、そうした中で最新の2024年第22週の定点当たり発生数が19.74人と“突出”しているのが沖縄県である。
この“突出”の表現を使ったのは、地元紙が見出しにこの言葉を使い危機感をあらわにした記事を掲載しているからだ。
確かに第22週の全国の感染状況を見れば、沖縄県が特異的なことは明らかだ。
沖縄県を除く都道府県別で最も発生数が多いのは鹿児島県の7.11人。
これに次ぐのが北海道の5.44人。
沖縄県はこれらの約3~4倍となっている。
とはいえ、この点を考慮しても、2番目に多い鹿児島県と約3倍の開きがある現実は、やはり沖縄県の固有事情があると思わざるを得ない。
そう思いながら厚生労働省のホームページで発表されている第22週の新型コロナ発生状況のプレスリリースを見て、やはり固有事情はあるのだろうと感じている。
このリリースでは新型コロナの5類移行以後の定点発生数の推移を全国と各都道府県別で公表している。
これを見るとすぐにわかることだが、全国的な推移は前述のように2023年第36週前後と2024年第5週前後をピークにした二峰性のグラフを描いている。
そして都道府県別でもおおむね二峰性の推移だが、沖縄県だけは明確に異なる。
とくに2024年第5週前後は沖縄県も発生数は多少増加しているものの、ピークを描くには至っていない。
一方、5類移行後最初のピークは第25週前後と全国平均より10週ほど早い。
この辺は気候的な影響が少なくないだろう。
まず、全国的な推移で見られた2つのピークは、それぞれ気温がかなり高い時期か気温がかなり低い時期。
つまり暑さや寒さゆえに温度管理が行き届いた室内にこもりがちな時期である。
新型コロナの5類移行後でもウイルスそのものの性質に変化がないことを考えれば、室内にこもりがちでいわゆる三密(やや懐かしい響きだが)の状態が起こりやすいことが感染拡大に影響しているのだろうと読み解ける。
これに対して沖縄県那覇市の平均気温を見ると、5月時点で24.2℃。
すでにこの時点の平均気温で夏日(25℃以上)に近い状況なので、暑さゆえに室内にこもりがちな時期となる。
ちなみに東京で同じく平均気温が夏日前後になるのは7月である。
5月末から7月末までは9週間あるので、前述した全国平均と沖縄の夏の発生数ピーク時期の差である約10週前後と整合性は取れる。
一方、冬の1~2月に関して言えば、前述の那覇市の平均気温を見ればわかる通り、17℃台。これは東京で言えば4~5月や10月くらいに相当するので、気候が原因で屋内にこもりがちにはならない。
それゆえ沖縄県でこの時期にそれほど発生数が上昇しないことも説明できる。
もちろんこれ以外に人口構成比や地域の風俗・習慣、外部からの流入人口なども影響していると思われるが、気候の影響はそこそこ以上に大きい要因だと考えられる。
となると、首都圏などでの感染拡大はこれからが本格的になるという嫌な予想が成り立ってしまう。
しかも、繰り返しになるが新型コロナに関しては、もはや彼方のことになっている人も多い。
はてさて、どのような情報発信をしていけばよいのかと、最近とみに悩みが深くなっている。