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地元紙などが一斉に報じた。2013年10月のシカゴ・マラソンでエリウド・キプチョゲ（ケニア）の記録を34秒更新する2時間0分35秒の世界新をマークしていた。

　現地警察、地元メディアによると悲劇はエルドレット市の郊外で起きた。キプタムさんが運転するトヨタ車がコントロールを失い、溝に突っ込んで巨木に激突した単独事故だったという。同乗していたコーチも亡くなり、同乗者の女性は重傷を負った。

　キプタムさんはケニア西部の村で生まれ育った。13歳の頃に競技を始め、22年のバレンシア・マラソン（スペイン）で初マラソン歴代最高となる2時間1分53秒を記録。23年4月のロンドンでさらにタイムを縮め、シカゴも合わせマラソンで3戦3勝。昨年の世界陸連の年間最優秀選手に選ばれ、4月のロッテルダムでは人類初の2時間切りも期待されていた。

　世界陸連のセバスチャン・コー会長は「ショックと深い悲しみに暮れている。世界陸連を代表して、彼らの家族、友人、チームメート、そしてケニア国民に深い哀悼の意を表します」と談話を発表した。ケニアを拠点に活動したことがある大迫傑（ナイキ）はX（旧ツイッター）で「本当に残念です」などと投稿。若きランナーの突然の訃報に陸上界では衝撃と悲しみの声が相次いだ。

　◇ケルビン・キプタム　1999年12月2日生まれ、ケニア出身。標高の高いチェプコリコ村で家畜の世話をしながら育ち、13歳から競技を始めた。19年3月にリスボンハーフマラソンで国際デビューし、59分54秒で5位と頭角を現した。昨年10月のシカゴでキプチョゲの記録を34秒更新する2時間0分35秒の世界新をマーク。1万メートルは28分27秒87、ハーフマラソンは58分42秒が自己ベスト。1メートル80、65キロ。

　▼高橋尚子さん（00年シドニー五輪女子金メダリスト）信じられないニュースです。マラソン世界記録保持者キプタム選手が事故死。マラソンデビューから一躍注目され、3度目で世界記録。24歳とまだ若く未知の可能性を秘めたランナーでした。この先も彼が見せてくれる人類の可能性への挑戦を応援したかった…。心よりご冥福をお祈りします。（公式Xから）

　▼キプチョゲ（前世界記録保持者）マラソン世界記録保持者で新星、ケルビン・キプタムの悲劇的な逝去に深い悲しみを感じています。彼は信じられないほどの偉業を達成するために生涯をかけて生きたアスリートでした。彼のご家族に心からお悔やみを申し上げます。（公式Xから）